TBS系ドラマの看板枠・日曜劇場「Get Ready!」(日曜、後9・00)が佳境を迎えている。主人公率いる闇医者チームの天才ハッカーとして存在感を見せているのが、俳優の日向亘(18)。オーディションのグランプリを史上最年少で受賞した大器が、飛翔の年に期する思いとは-。
ニット帽に首かけのヘッドホン。医療行為には関わらないが、チームが闇の仕事を完遂するためには欠かせない役どころだ。昨年8月までライダー俳優として出演していた「仮面ライダーリバイス」から一転、演技達者な先輩だらけの現場でもまれている。
デビュー作に主演していた藤原竜也とも再会し「当時から身長が13センチ伸びたので『おまえ、でかくなったな』って言っていただいたんですが、体の物理的な成長がすごいので、内面については特に…」と苦笑い。大きくなったのが背だけではないところを見せようと日々、奮闘している。
2019年に大手事務所・ホリプロのメンズオーディションでグランプリを獲得し、当時14歳で芸能界入り。副賞だった映画「太陽は動かない」への出演でデビューした。大作での華々しいお披露目だったが、甘い世界ではなかった。
「恵まれたことにグランプリが決まって、すぐに現場に入らせていただいたんですが、現実は甘くない。その後、1年間くらいはオーディションを落ち続けて、やりたいのにできないむずがゆさがありました。『ライダー』に受かったときは、うれしかったです。生活の9・5割がお仕事に変わったので」
本作に主演する妻夫木聡とは初共演だが、実は“師弟”の間柄。デビュー直後に妻夫木が主宰するワークショップに参加しており、怒っている人の歩き方というテーマで、それを10段階に演じ分けるなどの繊細な演技を実演してくれたという。
「先生と一緒にドラマに出ている感覚。エチュードをしたり、お芝居って楽しいものだと沼にハマらせていただいたのが妻夫木さんでした」と背筋が伸びる。
10代最後の年。意気込みは「飛」の文字に込めた。「やったことない役、誰も見たことない日向亘…空を飛んじゃうくらい、まだ見たことない世界に行きたいです。『ライダー』後の一作目が『Get Ready!』なのでホップ、ステップ、そして、フライです」と屈託なく笑った。