「ヴィクトリアマイル・G1」(15日、東京)
21年の3着馬マジックキャッスルが、虎視たんたんとG1タイトル奪取を狙っている。一時、不振に陥っていた時期もあったが、ここにきて状態は右肩上がり。JRAの牝馬限定G1で現役最多の11勝を挙げる国枝師も手応え十分だ。20年秋華賞2着馬が、レース史上最多タイの3勝目が懸かる指揮官とともに、念願のG1初制覇を目指す。
先輩らしい姿で順調ぶりを見せつけた。マジックキャッスルは10日朝、サークルオブライフ、エリカヴィータとオークスに出走する僚馬2頭を連れて美浦の角馬場に登場。時折、年上の威厳を示すかのように首を上下させ、馬体をほぐしてから坂路を活気十分に4F65秒6-15秒8で駆け上がった。国枝師は「ひとまずいい雰囲気。だいぶ動きは良くなっている。ひところよりはいい」と、復調の手応えをつかんでいる。
3着だった21年も22年と同じ愛知杯、阪神牝馬Sからの年明け3戦目。ただ、愛知杯で重賞初制覇を飾り、阪神牝馬Sでも2着と好走して本番に挑んだ21年とは内容が異なる。21年秋の府中牝馬Sは蹄の不安が原因で、15着と大敗。その後は休養を挟んで立て直し、22年初戦の愛知杯が9着で、前走の阪神牝馬Sは5着。21年よりも着順は悪いが、間違いなく良化はしてきた。
前走について、国枝師は「ちょこちょこ手前を変えて、自分から進んで行かなかった。そういう意味でまだ本調子じゃなかったな」と本音を明かす。今回は全2勝を挙げる戸崎圭に乗り代わるだけに、「乗り慣れた鞍上で頑張ってもらおう」と反撃を期待した。
厩舎の先輩アパパネ(11年)、アーモンドアイ(20年)も、このレースを制覇。JRAの牝馬限定G1で、現役最多の11勝を挙げる国枝厩舎。大舞台を知る厩舎力が、ここ一番で発揮されても不思議はない。