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発見10人の死亡確認 知床・26人乗り観光船事故 海保、依然捜索続く

 自衛隊のヘリから救助された人を搬送する救急隊員ら=北海道斜里町

 自衛隊のヘリから救助された人を搬送する救急隊員ら=北海道斜里町

 北海道・知床半島沖のオホーツク海で観光船「KAZU 1(カズワン)=19トン」が浸水し、子ども2人を含む乗客乗員26人が安否不明となった事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は24日午後、知床岬先端付近の岩場などで発見救助した10人全員の死亡を確認したと発表した。男性7人と女性3人でいずれも大人とみられ、身元の特定を進めている。

 船は見つかっておらず、沈没した可能性が高いとみている。道警などと共に航空機や巡視船による周辺海域の捜索範囲を広げ、残る16人の発見を急いだ。地元の漁船が協力したほか、陸海空自衛隊が航空機を出した。海自は護衛艦を派遣した。

 また1管幹部は業務上過失致死容疑などでの捜査を検討していることを明らかにした。

 国土交通省は同日、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)への特別監査を開始。安全管理規程や運航基準の確認を進めた。運輸安全委員会の船舶事故調査官3人も現地入りした。

 1管によると、カズワンの乗組員は豊田徳幸船長(54)=斜里町=と、曽山聖甲板員(27)=東京都調布市=の2人で、乗客は計24人だった。

 亡くなった10人は、カズワンが救助要請した海域から10キロほど北東の海上や岩場で見つかった。その後、斜里町内のグラウンドで待機していた救急車が医療機関などに搬送。少なくとも5人は救命胴衣を着けた状態で発見。低温で体力を奪われた可能性がある。周辺では搭載されていた救命具が漂着していた。

 知床遊覧船の社長は、駆け付けた安否不明者の家族とみられる人たちに事故の状況を説明した上で謝罪した。

 カズワンは23日午前10時ごろ出港。午後1時15分ごろ、港の北東約27キロの「カシュニの滝」付近で「船首が浸水している」と1管に救助を要請。知床遊覧船に午後2時ごろ「30度ほど傾いている」と連絡した後、音信が途絶えた。

 斜里町では23日未明に強風注意報が、朝からは波浪注意報も出された。知床遊覧船は23日が今シーズン最初のクルーズだった。

 

参照元:https://www.daily.co.jp/