囲碁の中学生棋士・仲邑菫二段(13)が31日、最年少でのタイトル挑戦を決めた。第33期女流名人戦リーグを5勝1敗で終えた仲邑二段を4勝1敗で追っていた謝依旻(しぇい・いみん)七段(32)が同日の最終戦で敗れ、単独首位となった仲邑二段の第33期女流名人戦3番勝負(4月14日開幕)挑戦が決定。2014年に藤沢里菜女流名人(23)が女流本因坊戦で樹立した16歳0カ月を大幅に更新する、13歳1カ月での挑戦となる。
史上最年少の10歳でのプロ入りから約3年、数々の最年少記録を塗り替えてきた13歳が、ついに頂点への切符をつかみ取った。
緊張した面持ちで会見場に現れた仲邑二段は「こんなに早くタイトル戦に出られるとは思っていなかったので、ホントにうれしい」と言葉を紡いだ。
相手は従来の最年少記録を保持していた、同じ研究会に所属する藤沢女流名人。研究会では月一回手合わせをしているが、公式戦での対局は初となる。
藤沢女流名人は「普段からめちゃくちゃ仲良くさせていただいていて、人としても尊敬している憧れの先生」だといい、「研究会で20局近くやっているんですけど、2勝くらいしかできていなくて。実力的には相当厳しい」と冷静に分析。「少しでも何かを得られるように、自分の力を出し切れるように頑張りたい」と誓った。
リーグ戦を首位で終えたご褒美を報道陣から問われると、ようやくこわばった頬を緩ませ「焼き肉を食べたいです」と無垢(むく)な笑顔を見せた。
迎え撃つ藤沢女流名人は「普通の13歳だったら終盤の計算力があまりないけど、菫さんは正確なので普通じゃないなと。このメンバーで勝ち抜いてきたのは実力の証」と指摘。「圧倒的なヒール役」と苦笑し、「菫ちゃんは妹のようなかわいい存在なんですけど、囲碁は恐ろしい存在。結果は意識せず、自分の打てる碁を打てるように」と力を込めた。