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【有馬記念】枠順の明暗

ヴェラアズール=栗東トレセン(撮影・岩川晋也)
 

②イズジョーノキセキ

クリスマス決戦を意識したトナカイのかぶり物で登場した岩田康騎手は、❶枠②番の好枠ゲットにガッツポーズ。「チャンスが広がったかなと思います」と声を弾ませた。石坂調教師は「岩田さんにぴったりの枠が当たったと思います。素晴らしい競馬を期待します」と笑みを浮かべた。

アリストテレス

過去6勝を挙げ、2014年にジェンティルドンナが制している❷枠④番からGⅠ初制覇を目指す。2年連続でコンビを組み、有馬記念4勝目を目指す武豊騎手は「いい枠だと思います。今年に入ってまだ結果が出ていませんが、持っているポテンシャルは高い馬なので…。昨年(6着)も強い相手に頑張ってくれた。いいレースをしたいですね」と一発を狙う。

⑤ジェラルディーナ

今年のエリザベス女王杯でGⅠ初勝利を飾った良血馬は❸枠⑤番に決定。1972年のイシノヒカルを最後に勝ち馬が出ていないが、近3年は4、5、2着で掲示板を確保している。C・デムーロ騎手は「欲しかった。グッドナンバーですね。強い馬なので牡馬相手でも問題ないと思う」とうなずいた。勝てばジェンティルドンナとの母娘制覇の偉業になる。

 

⑥ヴェラアズール

ヴェラアズールは、2位タイの7勝を挙げる⑥番に決まった。GⅠ初出走でジャパンCを勝ったときと同じ〝吉兆枠〟。ムーア騎手から乗り替わる松山騎手は「一番欲しかった枠ですね。偶数の内の②、④番が埋まっていたので、ここがいいと思っていました。前走も⑥番で勝っていますから、引き続きいい競馬をしたいですね」と声をはずませた。

追い切り翌日の木曜朝は、厩舎周りの引き運動で調整。渡辺調教師は「あれだけのレースをしたにもかかわらず、疲れもなく万全の状態で臨めると思います。あとはジョッキーに任せるだけです」と全権委任の構え。トリッキーな中山コースについても「操縦性も良くなっているので問題ないと思います」と自信をのぞかせた。

⑦エフフォーリア

連覇が懸かる昨年のJRA賞年度代表馬は❹枠⑦番に入った。横山武騎手は「良かったです」と第一声。「最近は前進気勢がなくなっているが、それを受け止めてどれだけいい方に導けるかだと思う」と意気込んだ。鹿戸調教師は「結局ブリンカーを着けることにしました。最初のコーナーまでが鍵になる。一番強いのはこの馬だと信じています」と逆襲を誓った。

 

⑧ウインマイティー

エリザベス女王杯16着からの巻き返しを狙う5歳牝馬は、ラスト2択の段階での抽選。残った⑧、⑮番から、❹枠⑧番を引き当てた。五十嵐調教師は小さくガッツポーズを作りながら「⑮番よりはいいですからね」と納得の表情。和田竜騎手も上々の感触のようで「メンバーは強いですけど、機動力を生かして頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

⑨イクイノックス

天皇賞・秋を勝ったファン投票3位のイクイノックスは、2020年にクロノジェネシスが制した❺枠⑨番に決まった。8番目に抽選の順番が回ってきた陣営は、ルメール騎手が「イクイノックス(Equinox)のE」を選択。好枠ゲットに鞍上は「完璧な枠番ですね。天皇賞・秋は素晴らしいパフォーマンスでした。改めていい結果を出したいです」と笑顔を見せた。

木村調教師も「もともと決められたところでしっかりやるということだったので。全然大丈夫です」とうなずいた。22日は美浦北馬場のダートコースをゆっくり1周し、「前日(21日)に追い切りましたが、トラブルなく元気に過ごしてくれています」と順調な調整過程を踏んでいる。

 

「国民的行事に参加させてもらえるのはありがたいですし、注目される立場なのは十二分に分かっています。レースが終わった後にファンの皆さまに納得してもらえるように職務を全うしたいと思います」と、指揮官はGⅠ2勝目へ力強く締めくくった。

ジャスティンパレス

⑩番は昨年のエフフォーリアが勝つなど、歴代2位タイの7勝を挙げている。杉山晴調教師は「ゲートの中で動く馬なので、後入れの偶数枠はすごくいいなと思います」とにっこり。レースに向けては「他馬の並びも当然あります。周りの出方も含めて(マーカンド)ジョッキーと相談してどういうレースになるのか、考えていきたい」と作戦を練って臨む。

⑪ラストドラフト

ノヴェリスト産駒は❻枠⑪番に入った。6度目の参戦となる三浦騎手は「素晴らしいメンバーがそろいましたが、胸を借りるつもりで頑張ります」と力こぶ。追い切り翌日も乗り運動を行って気配は良好だ。戸田調教師は「馬に張りがあって元気が良すぎるぐらい。ここならほぼ希望通りの枠です。穴党の人が喜んでくれる競馬をしてくれれば…」と話した。

 

⑫ポタジェ

⑫番からGⅠ2勝目を目指す。過去1勝と苦戦しているが、2着5回、3着4回と馬券には絡んでいる。ただ、思惑が外れた吉田隼騎手は「もっと内枠が欲しかったですね」と苦笑い。友道調教師は「うちの(厩舎の)馬は外枠に当たることが多いので、いいんじゃないでしょうか」と前向きに受け止めた。

⑬タイトルホルダー

GⅠ3勝を誇り、ファン投票1位に輝いたタイトルホルダーは❼枠⑬番に入った。同枠は過去10年で2012年にゴールドシップが1着、20年にフィエールマンが3着に好走している。昨年は大外の❽枠⑯番で5着に敗れており、「(山田)オーナーからは昨年より内を引いてくれと言われていたので、希望通りいきました」と栗田調教師はユーモアを交えながら納得した表情を浮かべた。

22日は厩舎周りの引き運動で軽めに調整。「海外帰りでつかめない部分があったので、近くの育成場と連携しながら、少し早めに厩舎に入れて、気持ちと体のバランスを整えながらここまでやってきました」と指揮官は順調ぶりを伝える。

 

横山和騎手も「昨年はあの(大外)枠からしっかり頑張ってくれたので、今年はリベンジという気持ち。楽しみです」と笑顔。「タイトルホルダーのことに集中してレースに臨むだけです。たくさんの支持をいただいたので、皆さんの思いも乗せて頑張ろうと思います」と力強く意気込みを語った。

⑭ボッケリーニ

⑭番はこれまで【2・2・3・34】。1997年のシルクジャスティスを最後に勝利から遠ざかっているが、20年には11番人気のサラキアが2着に食い込んでおり、軽視はできない。浜中騎手が「横にタイトルホルダー(❼枠⑬番)がいますし、これから考えて乗りたいですね」と力を込めれば、池江調教師も「状態はいいですよ」と好調さをアピールした。

⑮ブレークアップ

枠順抽選で最後まで残ったアルゼンチン共和国杯勝ち馬は❽枠⑮番。過去10年で2018年シュヴァルグランの3着しか馬券に絡めていない枠に、戸崎騎手は「仕方ないとはいえ残念です」と浮かない表情。「ここからは切り替えて、騎手としていろいろ考えていきたい」と策を練る。黒岩調教師は「残り物に福はなかったですね」とがっくり膝をついた。

 

⑯ディープボンド

 

凱旋門賞からの帰国初戦になる5歳牡馬は、【0・0・0・24】と1回も馬券に絡んでいない大外の⑯番。残念そうな表情を浮かべながらも大久保調教師は「邪魔をされずに好きに走れますからね。あとはジョッキーに任せます」と気持ちを切り替えた。川田騎手は「素晴らしい結果を得られるように、残りの数日で頑張っていきたいと思います」と力を込めた。

参照元https://www.nikkansports.com/