クロアチア対策は立てやすい
さあ、歴史を動かす一戦である。
ワールドカップカタール大会のグループステージでドイツ、スペインを連破した日本は、日本時間12月6日午前0時キックオフのラウンド16でクロアチアと激突する。
クロアチアはグループステージ初戦でモロッコと0対0で引分け、カナダとの第2戦は4対1で快勝した。そして、ベルギーとの最終戦を0対0で乗り切り、モロッコに次ぐグループ2位で勝ち上がってきた。
経験豊富なチームである。CBロブレン、主将のMFモドリッチ、ブロゾビッチ、コバチッチ、FWクラマリッチ、ペリシッチらは、2018年ロシア大会の準優勝メンバーだ。ズラトコ・ダリッチ監督も4年前の大会で采配をふるった。選手も監督も、大舞台に慣れている。
システムは4-3-3を採用する。日本のように3バックと4バックを併用したりはしない。グループステージでは先発をほぼ固定しており、対策は立てやすい。
日本はスペイン戦と同じく、試合開始から3-4-2-1で戦うべきだろう。大会開幕前はオプションのひとつだったが、グループステージの3試合を通して練度が高まった。とりわけ、1トップの前田大然をスイッチ役とした前線からの守備が、高い位置でのボール奪取に結びついている。森保一監督がチーム結成当初から目ざしてきた「いい守備をいい攻撃へつなげる」ことが、このワールドカップで実現できているのだ。
ブロックの外側へ追い出せば、パス回しは鈍くなる。守る日本からすると、目線をいきなり変えられることがないので、予測しながら対応できる。
日本代表の先発は?
先発メンバーには手が加えられる。CBの板倉滉が、警告の累積で出場停止なのだ。ただ、2、3戦目を欠場した酒井宏樹が、3日から全体練習に合流した。2戦目は出場を見送った冨安健洋も、スペイン戦の後半途中からピッチに立った。スペイン戦で大会初出場となった谷口彰悟も、好パフォーマンスを見せた。キャプテンの吉田麻也は「試合に出ている選手も出ていない選手も、いい準備をしている」と話す。3バックの顔触れがどのようになっても、クロアチアに対抗することはできるはずだ。