フランス・モンペリエで開催中のフィギュアスケートの世界選手権を生中継していたフジテレビが26日、北京冬季五輪銅メダリスト女子シングルの坂本花織(シスメックス)の初優勝と表彰式を、午前6時からの「めざましどようび」にまでまたがって大々的に報じた。
23日のショートプログラム(SP)で首位に立った坂本は、この日もSPに続いて155・77点の自己ベストをマークし、合計も自己最高となる236・09点で初優勝を飾った。日本女子では2014年浅田真央以来8年ぶりで通算6人目となる。
歓喜のキスアンドクライから立ち上がった坂本が大写しになったところから始まった番組は「引き続き、世界フィギュア選手権女子フリーの模様をお伝えいたします」のお断りとともにスタート。プロフィギュアスケーターの本郷理華さんが「1つ1つの質も完璧に近いものばかりでしたし、やはり貫禄というかオーラがすごいありました。全部質が良くて素晴らしかったです」と絶賛した。
会場では、そのままキスアンドクライに1人残った坂本のインタビューが始まり、心境を問われた坂本が「4年前はオリンピックだけ出て世界選手権は出なくて、その4年前でも結構燃え尽きたなって感じたんですけど、今年はホントにオリンピックの1カ月後にこの世界選手権があって、ホントに調整が今まで以上にきつくてホントどうなるかなって思ってたんですけど、でも最後の最後までやり切れて、本当にこのメダルにはすごく価値があるなって感じてます」と振り返った。
続いて「坂本選手はこれで日本のフィギュアスケート界の歴史に残ることになったが、このメダルは誰か特別にささげたいというお名前はありますか」と通訳を交えて質問されると、「特定の人を出すのは難しいけど、やっぱり一番は中野先生だし…もちろん中野先生とグレアム先生、川原先生の支えがあってこそ自分がここまでの演技ができたと思うので、先生方にホントにいい報告と恩が返せたかなあと思っています」と、笑顔で3人のコーチに感謝し、会場の拍手を浴びた。
6時8分からは表彰式をライブ中継。金メダルを受け取って自らの首にかけると弾けるような笑顔を見せ、国歌が流れると大粒の涙をこぼした。
6時13分までの表彰式後、スタジオから正式に番組が始まったものの“坂本祭り”はCM後も続き、冒頭は「超速報」として、何度もガッツポーズを作って氷をたたいたフリー演技を完全放送。同24分までインタビュー、表彰式も再放送する破格の扱いだった。