男子フリーを行い、北京五輪銅メダルの宇野昌磨(24)=トヨタ自動車=がSPに続いてフリーもトップの202・85点をマークし、自己ベストとなる世界歴代3位の合計312・48点で初優勝した。日本勢の世界王者は2017年の羽生結弦(ANA)以来5年ぶり3人目。北京五輪銀の18歳、鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)は合計297・60点で2位。日本は上位2人の順位合計が「13」以内で、来年の世界選手権の出場枠で最大3を確保した。友野一希(セントラルスポーツ)は合計269・37点で6位。
会場から降り注がれる拍手に、笑顔が止まらなかった。宇野は冒頭の4回転ループを着氷すると、続く4回転サルコーも降りた。終盤のミスも最小限にとどめて「ボレロ」を熱演した。「なかなか優勝をとったことがなかった。1位になれたことがうれしい」。初優勝をかみ締めるように喜んだ。
フランスには苦い思い出がある。コーチ不在で挑んだ2019年のフランス杯。初めてGPシリーズの表彰台を逃す8位の結果に涙した。