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クロノフォビアとは、時間の経過が怖い、あるいは時間の流れを追うことができないことに対して恐怖を覚える状態のことで、時間恐怖症とも言う。
全世界の人たちが、コロナ禍のロックダウンで家の中に閉じこめられ、あり余る閉塞的な時を過ごした。このまま閉じこもって、なすすべもなく日々が過ぎていくことに強い苦痛を感じたとしたら、それは一時的にクロノフォビアを体験したとも言える。
・意外と多くの人に見られるクロノフォビア(時間恐怖症) 米国に住む成人のおよそ12.5%が、人生のある地点で時間の経過について特殊な恐怖を覚えることがあるという。
とくに高齢者や末期患者はこの傾向に陥りやすいそうで、死期が近いという感覚によって増強される傾向がある。
刑務所の受刑者にもよく見られ、"刑務所
神経症"と呼ばれることもある。受刑者の場合は、閉所恐怖症や潜在能力の喪失の感覚と結びついていることが多い。
また、トラウマになるような致命的な体験をした人は、自分の死や時間の経過を強く意識するようになり、それがクロノフォビアの発症につながることがある。
他にも、他人に起こった悲惨な事故を知って、この恐怖症になってしまうこともある。
しかし、極限状態を体験した人だけが、クロノフォビアを発症するわけではない。目標を見失い、夢が達成できないのに、時間だけが無情にも過ぎていくと強く感じる人にも表れることがある。