新型コロナウイルスのパンデミックは、人々が生活様式や衛生観念を改めるきっかけとなった。だが、パンデミックを契機に人々の興味や視点も変わったようだという驚きの調査結果が海外で報告された。
イギリスではBBCのコメディ番組「Ghosts」やNetflixのシリーズ「The Haunting of Bly Manor」など、超自然的なテーマやプロットを中心としたテレビ番組やストリーミング番組への関心がかなり高まっているという。また、ロックダウンが解除されて行動範囲が広がった結果、心霊スポットに自ら出向く人も増えているようだ。例えば、ポルターガイストを題材にしたドラマやドキュメンタリーは予想外のヒットとなり、その後テレビ番組やライブの全国ツアーも行われているという。
2万年前にもコロナウイルスのパンデミックが東アジアを襲っていた
BBCの人気ポッドキャスト「The Battersea Poltergeist」を担当しているダニー・ロビンズ氏によれば、これは混沌とした不確かな時代のせいではないかという。
「現在と第一次、第二次世界大戦後を比較すると、同様に超自然現象への関心が高まっていることが分かります。これは人々が悲しみや混乱、抱え込んだ不安を自分の内心で処理する作用と密接に関連しており、既存の宗教ではそのギャップを埋めることができなかったことからきていると思われます」とする。ロビンズ氏は今回の人々の動きを「以前から見られた傾向であり、特にトラウマ的な出来事の後に確認されるもの」としている。新型コロナの世界的大流行は、多くの人々が経験した不確実性や不安が、オカルト的なものに対する関心を高めるという、かなり予想外の副次的効果をもたらしたのだ。
ロビンズ氏はガーディアン紙のインタビューで次のように語っている。
「人は死んだ後、何かが起こるのだろうか?どこへ行くのだろうか?分からないからこそ、人々は死後の人生があるのかどうかを知りたくなる。身近な人を失ったときこそ、幽霊を求めてしまうのです」