新旧ジャニーズアーティストが共演するロングセラーミュージカルがいくつかある。
滝沢秀明(現・ジャニーズ事務所副社長)が座長を務めて、06年にスタートしたのは「滝沢歌舞伎」(09年までは「滝沢演舞城」)。滝沢が芸能界を引退してからは、「滝沢歌舞伎ZERO」に改題。8年ほど滝沢のもとで学んだSnow Manがメインキャストとなって継承している。
KinKi Kidsの堂本光一のミュージカルシリーズは「Endless SHOCK」。00年に“日本一チケットが取れないミュージカル”として「MILLENNIUM SHOCK」が幕開け。恩師のジャニー喜多川氏の逝去という苦境を乗り越えて、今年2月にはミュージカル単独主演記録1位となる上演1800回を突破した。
「DREAM BOYS」こと、呼称「ドリボ」もジャニーズブランド。今年9月に開幕する5代目座長はSexy Zoneの菊池風磨とSixTONESの田中樹。04年の初演以降、KAT-TUNや関ジャニ∞、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、A.B.C-Z、King & Princeらが伝統の看板を守り、巣立っていった。
13年にKAT-TUNの亀梨和也からバトンを受け取ったのは、キスマイの玉森裕太、千賀健永、宮田俊哉。19年にキンプリの岸優太&神宮寺勇太に明け渡すまで主役を張った。その頃、座長らしい太っ腹ぶりを見せていたのが玉森だ。舞台関係者が振り返る。
「玉森は大親友の宮田に、『打ち上げを盛大にやってくれよ』『お金も全部払ってね』と指示していました。しかし、実際に開かれた打ち上げは玉森が1人で負担。ビンゴ大会や企画、かくし芸大会を事前にプランする番組さながらの豪華さでした」
サポートメンバーやジャニーズJr.、裏方スタッフもほぼ参加。それぞれがネタを仕込んでおり、練習した成果を披露する者が多かった。その絢爛豪華さは、人のために何かをする、人を楽しませることが好きな玉森の本質を表すものと言えた。
「メンバーではセンターながらも人見知りな性格ゆえ、前へ出ることが苦手。しかし、玉森がスタイリストとマネジャーさんに『いつもありがとね。来年もよろしくね』と言いながらお年玉を渡しているのを千賀が目撃しています。座長であり続けた理由を見た気がしたそうです」(前出・舞台関係者)
ジャニーズミュージカルはこんな精神によって、先輩から後輩へと引き継がれていく。