北野武監督が13日、自身の公式サイトにて、6年ぶりの新作映画「首」が「カンヌ映画祭」で2021年に設立された部門「カンヌ・プレミア」に日本人監督の作品として初めて出品されることに対して喜びのコメントを寄せた。
同作は北野監督が19年に出版した同タイトルの初の歴史長編小説を映画化。織田信長、羽柴秀吉、明智光秀、徳川家康を巻き込んだ首を巡る戦国時代、具体的には本能寺の変をテーマに書き下ろした作品で西島秀俊が主演を務める。
「カンヌ・プレミア」は世界史、民族、風土、生活習慣、信仰など現代社会を取り巻くテーマを描いた作品が選出されている。
元通りの選考に戻った? 日本アカデミー賞、「汚いことばっかやってる」たけしが過去に指摘も
北野監督は、93年に「ソナチネ」が、ある視点部門、99年の「菊次郎の夏」と10年の「アウトレイジ」がコンペティション部門に出品されるなど、カンヌ映画祭とも縁が深いだけに、今回の選出につながったようだ。
公式サイトで北野監督は、《カンヌ映画祭から『首』がカンヌ・プレミアに出品されると連絡がありました》と報告。《カンヌには数回行ってますが、熱狂的な歓迎を受けるのでうれしいです。またフランスのファンに会えるのが楽しみです》とつづった。
同作品をめぐっては、すでに撮影を終えたものの、その後の編集段階を9割方終えたところで作業がストップ。契約内容を巡って製作・配給のKADOKAWA側とトラブルに発展していることが昨年8月、一部で報じられていた。
間違った報道は真っ向から否定する北野監督だが、報道を受け、KADOKAWAが提案してきた内容が《あまりに一方的な内容だった》などと暴露していた。
「最悪、お蔵入りする危機もあったようだが、ビッグイベントに出品されることに。それを受け、そのうち国内での公開日も発表されることになるのでは」(映画業界関係者)
西島や撮影スタッフたちは胸をなで下ろしているはずだ。