中国・韓国・インドなどのスパイス大国との交流から、日本各地で生まれた「ピリ辛グルメ」。
今回は、『週刊大衆』編集部が有識者を集めて結成した「日本大衆メシ審議委員会(JTMC)」が、食べると汗が噴き出る“ホットな”逸品をピックアップ。本文では、トップ10を紹介しよう。
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第10位はスープカレー(北海道)。グラビアアイドルの篠見星奈さん(22)も、北海道出身だけに、「大好物」と語る道産子のソウルフードだ。彼女いわく、
「スパイスや野菜、鶏肉のうま味が凝縮されたスープ状のルーが絶品です。辛さを細かく注文できるお店が多いので、自分だけのお好みの一皿を探すことができるのも魅力です」
また、スープカレーを楽しむなら、ライスと合わせるのがオススメと語るのは、年間300種以上の激辛料理を食す“激辛マニア”で、1級フードアナリストの金成姫氏だ。
「サラサラのスープがライスとよく絡み、スパイスの香りや、お米の甘みがより際立ちます。また、辛み成分のカプサイシンは脂溶性なので、味をまろやかにしたい人は、乳製品のチーズなどをトッピングすると、より食べやすくなりますよ」
第9位に入ったのは、高遠ネギそば(福島)だ。
「そば切り発祥の地・高遠藩(長野県伊那市)から会津へ伝承された、冷たいそばにキリッと辛い大根おろしをプラスした名物。福島の大内宿では、1本の長ネギを箸代わりに用い、ネギをかじりながら、そばを食べます」(タウン誌記者)
ネギなどの薬味は、そばのうま味を引き立てるだけでなく、うれしい健康効果もあるという。管理栄養士の松田真紀氏が解説する。
「長ネギの辛み成分であるアリシンには風邪予防や、悪寒の緩和など、コロナ禍の今にはうってつけの健康効果があります。
また、大根おろしは消化酵素が豊富なので、食後の胃もたれを防いでくれるんです」
■みんな大好き有名チェーンのタンメンがランクイン!
そんな“和の辛み”に対し、体が火照る“唐の辛み”といえば、激辛タンメン(東京)。麺類が9位に続いて第8位に入った。
「タンメンをベースに、たっぷりの野菜と、うま辛の麻婆豆腐がのった、今では全国区の知名度を誇るピリ辛グルメです。板橋区で創業した『蒙古タンメン中本』は、その代表格ですね」(グルメライター)
そして、続く第7位には、各務原キムチ鍋(岐阜)が選ばれた。
「各務原市は、2004年に韓国の春川市と姉妹都市提携を実現。町を挙げてキムチづくりに励み、“キムチ日本一の町”として知られるようになりました。市内のお店で提供される鍋には、各務原市の名産のニンジンと、春川市の名産・松の実を入れた地元産キムチが使われています」(前同)
続く第6位は、日本の食卓には欠かせない香辛料・ワサビを主役にした生ワサビ丼(静岡)。伊豆の湧き水で育てた新鮮な生ワサビをおろし、カツオ節ごはんと一緒に楽しむ、唯一無二のピリ辛丼だ。
「ワサビの辛みは血管を広げ、神経の緩和を促すことで、鎮静作用を発揮します。雨天が増える、これからの時季は、気圧の変化が引き起こす神経痛や、リウマチなどに悩む人も増えるので、ぜひ食べておきたい食材ですね」(前出の松田氏)
第5位は、ワサビと双璧をなす、日本古来の香辛料・和辛子を使った郷土料理の、辛子レンコン(熊本)に決定。
「体が病弱だった肥後細川家初代藩主・忠利公が気つけ薬として食した歴史を持つ、我が県自慢の名物です。和辛子のまろやかな辛みは、焼酎との相性が抜群。私の晩酌にも欠かせません」(熊本在住の郷土史研究家)
そんな辛子レンコンは、現代人にも多くの健康的メリットがあるという。
「和辛子には、肺を温め、せき・たん症状を鎮める効果があります。また、レンコンは“山のウナギ”と評されるほどの精力アップ食材。食べると体温が上昇し、活力がみなぎるので、生涯現役の一翼を担ってくれますよ」(前出の松田氏)