狂言師の野村萬斎(56)が5日、東京・観世能楽堂GINZASIXで行われた「能 狂言『鬼滅の刃』」(7月26日~31日、同所)制作発表会に登場した。吾峠呼世晴さんの同名大人気マンガを原作に、萬斎は演出と鬼舞辻無惨(辻は一点しんにょう)など3役を担当する。
会見に萬斎は「無惨イメージで白い着物にしました」とこだわり衣装で登壇。能狂言化にあたり初めて読んだ同作について、「日本に根ざしたストーリー展開で、鬼が主題で能狂言の世界に近いなという印象です。鬼の描き方は能の専売特許」と語り、「今も鬼、いません?世の中には」と笑いを誘った。
演出については「『水の呼吸』(主人公・炭治郎らが使う全集中の呼吸)のいろんな型が出てきますけど、どう表現するか悩ましいです。みんなで知恵を出し合いながら能舞台にふさわしい、でも今までとは少し違う鬼滅の刃ができれば。われわれもこれを通していろいろ発見したい」と意気込んだ。
この日は56歳の誕生日。「鬼滅の刃を始め、新しいことをやりたいなと思っています」と力強く語った。家族からは「お祝いはまだしてませんね。これからですね。娘(TBS・野村彩也子アナウンサー)からは一言もない」と苦笑いだった。