男子フリーが行われ、SP2位の友野一希(23)=セントラルスポーツ=はフリー、合計ともに自己ベストの演技を見せ、主要国際大会では自身初となる銀メダルを獲得した。フリー171・89点、合計268・99点だった。
達成感と悔しさと、その心中は複雑だ。4回転トーループでの転倒など完璧な演技ではなかったが、自己ベストを更新する内容には胸を張れる。「ミスはあったけど、ミスがあった中であれだけ演技をまとめられたのは成長」と友野。同時に「とてつもなく、今までで感じたことのない悔しさがある」とも話した。
北京五輪開幕まで約2週間ということもあり、五輪代表選手を派遣する国が少なかった今大会。友野は「優勝」を意識して臨んでいた。SPは2位発進。首位とはわずか1・86点差と、逆転は十分可能な位置だった。「優勝やメダルが懸かった中での試合は経験が少なかったので、また違った難しさを感じた」。体に固さがあったという。
「もっと上に行きたい気持ちがこの試合で、自分の中である。この経験を次のシーズンに生かしたいし、もっと成長したい」。五輪代表入りは逃したが、貪欲に戦い続ける。