俳優・小栗旬が主演する日曜劇場「日本沈没‐希望のひと‐」(TBS系)の第2話が10月17日に放送され、世帯平均視聴率は15.7%と2話連続15%超えを記録した。
1973年に刊行された小松左京による名作SF小説が原作のこのドラマ。今作はアレンジを加え、主人公を含めオリジナルキャラクターが2023年の東京を舞台に関東沈没という目に見えない危機に立ち向かう。第2話では田所博士(香川照之)の予測通り、関東沈没の前兆とも言える日之島が沈没。環境省の天海啓示(小栗)は早急に対策を立てるように日本未来推進会議で訴えるも、地球物理学の最高権威・世良教授(国村隼)に「ただの地滑り」と否定されてしまう。
そんな中、天海が企業から不正にお金を受け取っていたという記事が週刊誌に掲載され、天海は謹慎処分。日本未来推進会議のメンバーから外されそうになるも、海上保安庁の海底調査のオリジナルデータを入手。データ改ざんの事実を突き止め、世良教授に問い詰める。
「このエピソードが、森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん事件を思い起こさせ、さらに『なぜ、改ざんを行ったのか』と詰め寄る天海に対して『たった1割だ。沈まない確率は9割。君たちは起こるはずのない関東沈没に怯え、やる必要のない危険対策に奔走した後に、首都経済を停滞させるんだ』と言い放つ世良教授の投げかけも、原発やコロナ禍の問題を想起させるとして注目を集めています。しかし、こうして今の世相を巧みにフィクションに取り込み、エンターテインメントにしたことが高視聴率につながっているのかもしれません」(女性誌記者)
こうしたドラマの話題性をPRに利用しようとしている省庁もある。
「環境省は10月19日の公式ツイッターで『今月からスタートした、ドラマ「日本沈没‐希望のひと‐」はご覧になりましたか?#小栗旬さん演じる天海啓示が環境省職員であることから、今日は#環境省についてご紹介します』のコメントとともに、同省のロゴマークを画像に添え、文末には『#日本沈没』と載せていました」(前出・女性誌記者)
政府をも動かすドラマ「日本沈没」。日本を震撼させるほどの高視聴率となるか。