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嵐・松本潤もハマる!「ラ・タベルナ」薄切りステーキのジャンクな魅力!

松本潤
松本潤

第88回 「ラ・タベルナ」

 アイドルだって飯を食う。この際だから、詣を続けよう。となると、例の番組の放送履歴を辿るしかない。日本テレビ嵐にしやがれ』だ。その中の「東京いい店クドイ店」ほど、自分の志向性と合致したコーナーはない。実際に行った店もよく登場する。登場店のリストを眺めると、未訪問の店も灯台下暗し感が強く、かなり個性的なのでつい出かけたくなる。芸能人が案内するので、ちょっとお高い店も多いが…。

■芸人も多く通うイタリアンの老舗

 中で拙著、『名門高校青春グルメ』(辰巳出版)でも取り上げたのが麹町の「ラ・タベルナ」。ここはそれこそ日本テレビの麹町分室(旧本社)に近く、バナナマンおぎやはぎなどお笑い芸人が御用達としており、ちょくちょく番組でも紹介される。

 14年3月22日の放送回で、「ラ・タベルナ」に松本潤相葉雅紀を連れてきたのも博多華丸・大吉の大吉だった。ポーションが多いのでスタッフも交えての番組収録後の打ち上げなどに向いているのだろう。旧麹町分室は老朽化のため取り壊しとなり、日テレはすぐ近くの用地に番町スタジオを建設。分室跡地には超高層ビルを建てる計画で、地域の猛反対にも遭っている。

松潤や相葉の座った席

 その音頭取りをする名門校、女子学院の出身者に高校生時分、「当時半ドンだった土曜の放課後などに使った」との証言を受け、ぼくも数年前に初めて訪ねたのだ。いちおうは取材目的だと話すと、マスターは常連の芸能人の名を立て板に水といった調子で上げた。『嵐にしやがれ』の話も出て、「ファンが松潤や相葉ちゃんが座った席を予約したい」と言ってくるのだと笑った。

■看板は「牛肉の薄切りステーキ」

 1977年創業の「ラ・タベルナ」の店内には、子ども心にも鮮明だった、昭和のイタリアン色が溢れている。青山の「ハンター ラ ストラーダ」とか、新橋に唯一残る「ニコラス」、自由が丘や江古田やひばりヶ丘店が健在な「パンコントマテ」といった、レトロなイタ飯しかどうもぼくは受け付けない性分。だから「ラ・タベルナ」にも入った途端に和んだ。

「ラ・タベルナ」の数あるメニューの中でも看板は「牛肉の薄切りステーキ」(ランチ1100円、ディナー1300円。これがステーキと称するわりに、付け合せの存在感の方がデカいのだ。

 ターメリックがぷんと香るバターライスと、乾燥バジリコをまぶした炒めスパゲッティという、炭水化物+炭水化物の組み合わせで攻めてくる。その上に2枚乗った肉もハラミをしっかり叩いて伸ばしきっているので、ぐでぐでに柔らかい。

 ちょっとチープでレバー風味さえする。ニンニクたっぷりの醤油風味のタレの、どこがイタリアン?と首を傾げつつも、ライスをすくうスプーンが、麺を絡めるフォークが止まらない。

■土曜日の女子高生にもありがたい店

 しかし、こんな男子受けするメシをよく女子高生がパクついていたもんだ。一皿一人で平げたら、膨満感で確実に2〜3時間は動けない。ラ・タベルナのランチタイムは平日16時まで、土日祝が15時までで、しかも通し営業。

 朝の始動が遅くて昼休みがそもそもずれ込みがちな業界人とってはむろんだが、土曜日の女子高生にもありがたい店なのだ。食事の後は延々と駄弁ってますからね。女性か少食の人向けにハーフサイズ設定もあって、ミニサラダとドリンクorデザートがつくのは嬉しい。

 そもそもこの店の「クドイ」ポイントは料理ではなく、以前は取り皿を決して渡さない、つまり一皿は一人で食えということだったらしいが、番組でも「それは昔の話で今はそんなことはない」とのオチだった。

 したがって、松潤も相葉も薄切りステーキを小皿に分け、お上品に食べていた。大体、ぼくたちも「食べきれなければ持ち帰っていい」とママにも言われたし、食事に来て満席だと、テイクアウトにする客もざらで、日テレ本社は今は汐留に移転したが、この味が忘れられなくて、電話で大量注文しては取りに来る局員も多いんだとか。

 焼き肉が好物で高級店に出没しまくっているらしい、グルメな松潤がどこまで気に入ったかはわからないが、番組では「美味しくいただけました」と一言。

 実際、薄切りステーキも美味というより癖になるテイストで、何度も食べるうちにいつしか、時折無性に食べたくなるのだろうと思えた。イケメン代表格の松潤もすでに38歳。アラフォーになっても美男子ぶりに変わりはないが、薄切りステーキ的な癖も身につけ、大台を迎えてほしいものだ。

 

参照元https://dailynewsonline.jp/