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朝ドラ『おちょやん』、主人公を叱責するセリフに「コロナ禍と重なる」の声 戦時中の舞台関係者の心情に反響

成田凌
成田凌

 NHK連続テレビ小説『おちょやん』の第84回が1日に放送された。

 現在、第17週「うちの守りたかった家庭劇」が放送されている本作。第84回は、第二次世界大戦で劇団の百久利(坂口涼太郎)までもが招集され、出征していく。千代(杉咲花)は意気消沈しかけるものの、なんとか気丈に振る舞い、芝居を続けようと意気込むが――というストーリーが描かれた。

※以下、ネタバレ含む。

 昭和を舞台にした朝ドラでは、切っても切り離さない第二次世界大戦。これまでの朝ドラ作品で戦時下の様子は多く描かれてきたが、『おちょやん』ではこれまでとは違う視聴者の反応が聞かれているという。

 「第84回で描かれたのは、鶴亀家庭劇の解散。戦況の悪化で赤字続きとなり、鶴亀の大山社長(中村鴈治郎)に見限られたといい、一平(成田凌)が千代や劇団員たちに解散を宣言しました。これに納得いかない千代が大山社長の元に直談判に行くと興奮すると、一平は『防空演習して、配給並んで、生きていくだけでも精一杯やのに、芝居の事なんか考えられるはずあらへんやろ』と叱責。それぞれ事情を抱えた劇団員たちも、その決定を受け入れるという展開が描かれました」(ドラマライター)

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 この描写に、視聴者からは「コロナ禍と重なる…」「生活でいっぱいいっぱいで娯楽やってる人たちが諦めなきゃいけない状況って現状と似てるよね」「これまでの朝ドラの戦争シーンよりももっと感じるものがある」という声が集まっているという。

 「現在のコロナ禍でも舞台公演の制限のため、窮地に立つ舞台関係者が続出。収入がなくなってしまったため、見切りをつけて転職をしたという話も多く聞かれています。そのため、続けたくても続けられない一平の切実な想いや、それでも続けたいと願う千代の姿に、今のコロナ禍の現状を重ねる視聴者が続出。戦争中の終わりの見えなさも、コロナ禍と通ずるところがあるようです」(同)

 タイミングがタイミングなだけに、『おちょやん』の戦争描写はこれまで以上に視聴者の心に響いたようだ。